今年はかなり速いペースで熱中症のこども達が夜救急外来に来ています。
熱中症は、熱がこもって自分で熱のコントロールができなくなってしまうから怖いのです。
一般的に約42度を超えてくると体温調整を自分でできなくなってくると言われています。
第一線に医療現場でも意外と42度を超えることはないのですが、こもってしまった体温を逃がさないといけません。
熱中症はどうして起こるのでしょうか?
単に気温だけではなく、湿度も大きく影響します。
原因は、
1.湿度=水分そのものにも熱エネルギーがたまっているから空気よりも熱がこもりやすくなるという点、
2.湿度が高いと汗が乾きにくいために体温を下げるために出る汗の機能(汗は蒸発するときに気化熱となって熱を逃がしてくれますよね!)が半減してしまう点、
の2つです。
さて、第一線ではこのような状態になってしまった身体の「ほてり」を取り除くために、冷たくした点滴を使って体内を冷やし、冷たいマットで身体の外からも冷やします。空調も低めに設定します。
ここでわかることは、体温が上がったときにはおうちでもできますね!
点滴を冷やすのは内部から冷やす、すなわち全身を巡る血液を冷やしているのです。
おうちでは、太い血管が体表面近くにある首、脇の下、足の付け根をしっかり冷やして、身体の外からもしっかり冷やすという意味では水風呂も良いですね!
まだ、人間には体温を逃がす機能があります。それは、排尿と呼吸です。排尿を促すためには、カリウムの多い果汁やDAKARAのようなもの、呼吸で体温下げるためには空調の設定を低くします。
これだけで十分に体温は下がります。
よって、やりすぎると今度は体温が下がりすぎてしまいますので、気をつけましょう。
日中元気いっぱいで遊んで帰ってきたら、まずは冷たいシャワーやお風呂でしっかりクールダウンしちゃいましょう。
しっかりクールダウンしていれば、夜、寝始めてから「熱が出てきた!」と慌てなくて済みますし、無用な点滴処置などでこども達が痛い思いをしなくて済みますね!