2013年3月9日土曜日

乳幼児の便秘。

このごろは、ふたたび胃腸炎(嘔吐下痢症)が流行っておりますが、一方では便秘に悩まされるお子さんもいらっしゃいます。
乳幼児期では、どの程度で“便秘かな”と思いますでしょうか。だいたい4~5日くらい排便がないと“便秘かな”というところでしょうか。
まず乳児期では、うんちの間隔(リズム)があきやすくなる時期もあります。ですから排便がないことに加え、お子さんがいきんだり、哺乳(食欲)などが悪くなったりと排便に困難を伴わないかどうか観察しましょう。排便の困難がないようであれば、必ずしも便秘としてお薬を処方したりせず、おなかのマッサージや綿棒を使った刺激で様子をみる場合もあります。

便が出づらくなる原因としてどんなものがあるでしょうか。乳児期では、小児科医はまずよく哺乳ができているか、体重増加はどうか、などを気にします。しっかり栄養がとれていなければ、便も出ないというわけです(それからなぜよく哺乳ができていないか、と考えていきます)。生まれてすぐから便秘でないかどうか、とか乳児期の早いうちからおとなみたいな硬いうんちでないか、などに注意します。
また、離乳食が始まったら出づらくなった、というお子さんもいらっしゃいます。相対的に乳脂肪分の摂取量が減ったりすることや、離乳食が始まり摂取するメニューが変化することで出づらくなることもあります。
実際に便の性質が硬めとなってきて、出づらい・いきむ・つらそう・哺乳が悪くなる、といった困難を伴う場合には、さきほどのマッサージや綿棒刺激を基本としてお薬をつかっていく場合があります。
「浣腸やお薬を使うとくせにならないか?」と心配される親御さんは多いです。もっともなご心配だと思いますが、「便秘がくせにならないようにしましょう」、とお話ししております。お子さんの排便の習慣や便の性質、からだの診察などをとおして、生活や食事の指導、処方などを行っていきます。お困りの際には、お気軽にご相談くださいね。