2012年8月27日月曜日

雨の日の思い出。


猛暑で大気の状態が不安定なためか、今年の夏は急な雨が多いように思います。
雨が降るといつも思い出すことがあります。
私が以前勤務していた病院で出逢った、Hくん 2歳。
家族と離れ、長期入院を余儀なくされていました。痛い検査も治療も、小さい身体で一所懸命耐えて、本当に頑張り屋さんの男の子でした。私はHくんの担当だったこともあり、勤務が終わってからもよく彼の病室へ遊びに行っていました。
ある日夕方から急に大雨になったことがありました。「傘も持ってきてないし帰り困っちゃうな~」などと思いながら、Hくんと二人で窓の外を見ていました。「雨がたくさん降ってきちゃってやだね~」と私が話すと、Hくんは「でも葉っぱやお花はうれしいうれしいって言ってるよ」と、もう次に遊ぶおもちゃを選びながらそんなことを話してくれました。私は、自分のことしか考えられなくなっているおとなとして恥ずかしい気持ちになりました。

こどもは時々、こちらがはっとさせられるような言動を見せて、忘れてはいけないメッセージをおとなに伝えてくれているんだなと思った出来事でした。
雨が降るといつも、このHくんとのやり取りを懐かしく思い出します。

クリニックや、みんなのおうちでたくさんのお子さんと接し、こども達の笑顔や成長ぶりにいつも元気とパワーをもらっています。
こども達の発信してくれているメッセージを大切に受け取っていきたいと、いつも思っています。そんなHくんも来春高校卒業。バスケが大好きで今ではすっかり身長もぬかされてしまいました。