2012年8月23日木曜日

ワクチンの価格

こんなニュースが出ていました。

不活化ポリオ混合ワクチンの価格を公表-
厚労省は価格の引き下げ求める考え
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/37871.html

事実、不活化ポリオワクチンの輸入時の価格はとっても安いのです。にもかかわらず、診療の現場に提供されるときにはなぜか法外な価格になっているのには、いろんな理由があります。

私たちはワクチンは全ての子どもが接種すべきと考えています。しかし様々な経緯により、まだ日本では全て国が負担して無料化されるには至っておりません。予防接種を実施することは、自分の身を守るためだけではなく、自分の大切な家族やお友達に伝染させてひどいことにならないためにも、地域社会で生きるための「人としての責務」と考えています。

今でこそ感染症の脅威が目に見えないかもしれませんが、国内において私たちはまだまだ重症な感染症にかかって大変なおもいをしたり、大切な命を落とす現実を多く診ています。そんな子どもたち、そして家族、友達、学校の先生、地域の人たちの悲しむ姿を見たくない、そのためには一人でも多くの人に予防接種を受けてもらいたいというおもいで価格を設定しています。

今の日本社会は、国も行政もなかなかすぐには動いてくれません。しかし、世の中は刻々と動いており、人の命もまたこの瞬間に生まれては消えて行っています。

医学的に評価し、必要なもの・重要なこと、それが子どもと家族そして地域のみんなのためになることならまずは自分たちから始めていきたいと思っています。

目黒通りこどもクリニックの予防接種は安いよね、というきっかけでいらっしゃるのも良いですが、今一度、大切な人の命を守るため、自分だけではなく社会の一員として人として、という私たちの気持ちもちょっとだけわかってもらえるとうれしいです。