2012年9月13日木曜日

お子さんの成長と事故・けがの予防②肘内障

今回は、肘内障(ちゅうないしょう)についてご紹介します。

クリニックでは、「転びそうになったので、手を引っ張りあげたら痛がって腕を動かさなくなった」や「兄弟で遊んでいたら、急に腕を痛がって動かさなくなった」と来院される方がいらっしゃいます。

肘内障とは、肘の関節を取り巻くじん帯の一部がずれてしまい、お子さんは腕を動かそうとしなくなります。こちらが動かそうとすると痛がりますが、腫れや内出血は認められません。
上のような訴えで来院された場合、肘内障が疑われます。肘内障では必ずしもレントゲンの撮影は要しないと教科書にはありますが、他の疾患(脱臼や骨折)が隠れていることもあります。そのような場合には整形外科への受診が必要となります。

整復処置を行い、お子さんの痛みがとれ腕を動かしてくれるか、すこし観察します。ほとんどの場合痛みがとれお母さんのくびに両手を回し(動かせてる!)笑顔になってくれます。

多い年齢は歩き始めから5歳くらいです。手をつないでいてお子さんが転びそうになったとき、顔面や頭部を地面に強打しないことはもちろんですが、無理に引っ張りあげることは避けましょう。