スポーツ現場における指導者の禁煙はどのくらい意識されてきているのでしょうか。
私が高校生の時代、体育教官室では常にたばこの煙を目にした記憶があります。当時はそれが当たり前で疑問も持たなかったように思いますが、(受動)喫煙の心肺機能への影響が証明されている現在、選手や生徒の前での喫煙はあってはならないことでしょう。
よりよいパフォーマンスを要求する指導者が、それを妨げる紫煙を吐き出している。まったくの矛盾といわざるを得ません。たばこの煙をきっかけに喘息発作が誘発される選手や生徒もいるかもしれません。
日本体育協会主催のスポーツドクター養成講習会でうかがった話ですが、指導者育成で定評のあるドイツから講師が来日したとき、選手を前にして喫煙している指導者をみて愕然としたといいます。
もちろん、喫煙しているからといって、その指導者を否定するわけではありません。私も数多くの良い指導者にめぐり合い、育てて頂きました。やはり、「たばこを憎んで、ひとを憎まず」です。
プロ・アマを問わず、永くスポーツを楽しみたいと思っている未来ある子ども達を前にしての喫煙・・・今一度考え直して欲しいものです。
院長 若木 均