尿路感染症とは、膀胱炎や腎盂(じんう)腎炎などの病気のことで、腎臓から膀胱・尿道にいたる尿(おしっこ)の通り道に細菌やウイルスの感染が起こり、発熱や排尿時の痛み、背部の痛みなどの症状が出ます。
成人であれば、排尿の異常(痛みや頻尿、残尿感)や背部痛などを訴えることができますが、小児、特に乳幼児では症状をうまく伝えられないことが多いです。
そのため発熱だけが唯一の症状のことがあり、乳児ではお乳の飲みが悪いとか、不機嫌といった非特異的な症状だけのこともあります。
そこで、熱はあるけど他の症状が見られない場合には、小児科医であるわれわれは必ず「おしっこの感染(尿路感染)」を視野に入れて拝見する、ということになります。
親御さんには、成人ばかりでなく乳幼児でも尿路感染症というものがある、ということを知っていただければと思います。