また、吸い続けていた人は若い女性に多く、25歳未満では10%だったということです。夫の方では49%が妊娠判明時に喫煙、妊娠中期になっても46%が継続し、ほとんど禁煙していなかった、という実態でした。
胎児や乳幼児・小児への喫煙・受動喫煙の悪影響がいわれて久しいです。
妊婦の喫煙により、流産、早産、死産、低体重児、先天異常、新生児死亡のリスクが高まることが明らかになっています。また、出生後も、家庭内、特に母親の喫煙で、肺炎、幼児の喘息様気管支炎、学童の咳・痰などの呼吸器症状などが増加します。
妊娠中は、煙が直接胎児にふれるわけではありませんが、胎児は胎盤を通じて母体につながっています。つまり胎児は、胎盤と「へその緒」を通じてのみ外の世界に通じている、胎盤が胎児の「肺」のようなものだ、といえるでしょう。また、喫煙は大小さまざまな血管に害を与えることからも、細い血管の構造物である胎盤などが母体の喫煙によって障害を受け、引いてはその先にいる胎児に影響を強く及ぼすことも理解できますね。
また、受動喫煙についても出生体重が低下することや乳幼児突然死症候群(SIDS)のリスクとなるだけでなく、その後小児期においても、受動喫煙により、肺炎などの呼吸器疾患、中耳炎、咳など呼吸器症状、肺の機能が低下するリスクになります。そのほか、早産や、喘息の原因となる可能性あります。
以上のとおり、喫煙者が自ら吸う喫煙にしても、意図せず吸わされてしまう受動喫煙にしても、特に妊娠・出産や子どもの発達などへの影響については、「趣味・嗜好」や「マナー」などとして見過ごせるものではないですね。
「たばこを憎んで、ひとを憎まず」・・・お子さんたちのためにも禁煙を。