2014年8月23日土曜日

インフルエンザワクチン接種の意義


10月からインフルエンザワクチン接種開始となります。

10月中の接種では、タイミングが早すぎて数ヶ月後に抗体が不十分になるのでは?と考えておられる方もいらっしゃると思います。米国のCenters for Disease Control and Prevention(CDC)のウェブサイト( http://www.cdc.gov/mmwr/preview/mmwrhtml/rr6207a1.htm?s_cid=rr6207a1_w#RecommendationsUseInfluenzaVaccines201314InfluenzaSeason)を見ますと、はっきりとした結論はまだ出ておらずいくつかのスタディーがあるようですが、65歳以上では徐々にワクチン有効率が減少する可能性が指摘されているものの、他の年齢層での報告はなさそうです。また、同サイトを見ると“一般的には”可能ならワクチンの配布が始まる10月に開始しましょう、と記載されています。2回接種の年齢のお子さんは、1回目をなるべく10月中に、ともあります。

当クリニックとしましても、いつ流行が始まるかが不明であること、有効な量の抗体を獲得するのに2週間程度かかると言われていることなどからも、早めに備えておくことがやはり望ましいと考えています。11月、12月に接種しても遅すぎるということではありません。

インフルエンザワクチンの有効率(ワクチン非接種者と比較して、接種によりインフルエンザ罹患を防げる割合)が、低い年では20-30%と言われます。ただ、欧米と比較して日本などでの報告が圧倒的に多く、ワクチンで防ぐことは難しいと言われているインフルエンザ脳症・脳炎(CPT2遺伝子多型などとの関連が言われています)を防ぐためには、公衆衛生学的観点から考えると、少しでもインフルエンザに罹患する患者さんの数を少なくすることが重要ではないでしょうか。