2012年6月30日土曜日

胃がんとピロリ菌


こどもと胃がんは関係ないと思われがちですが、胃がんの原因菌とされているヘリコバクターピロリ菌には、日本人口の約半分の6000万人が感染しているといわれます。

ピロリ菌は幼児期に感染し、成人になってからの感染はほぼありません。現在50歳代以降の70~80%の方がピロリ菌に感染しているといわれており、これは幼少期に衛生環境があまり良くない状況で、井戸水などから感染したものと考えられています。

小児の患者は5~15%といわれ、両親がともにピロリ菌に感染している場合は5割、片親が感染している場合でも2割前後の感染が確認されています。
キスや、箸などで鍋を共有しても感染の可能性はないとされていますが、噛み砕いたものを口移しでこどもに与えるなどの行為はピロリ菌を感染させる可能性があるので注意が必要です。

年長児の原因不明の鉄欠乏性貧血の多くにピロリ菌の感染が見られ、除菌が成功した後は貧血の症状が良くなり、再発することがなかったという報告もあります。

ピロリ菌は親子間で感染してしまうことがあることを知っておきましょう。