2013年12月22日日曜日

ヘアアイロンによる口腔内電撃症(熱傷)

このお知らせでは、日本小児科学会が出している「傷害速報(injury alert)」をしばしばご紹介させていただいております。

今回は、口腔内電撃症という耳慣れない言葉が登場しております。電撃症は、電流による損傷と説明され、口腔内電撃症は、電撃症の全身への影響とあわせて口腔の機能や美容面への配慮が必要になることもある熱傷のひとつです。

事例は生後6カ月の女児で、居間の1mほどの高さに置かれていたヘアアイロンの電源コードを児が引っ張りヘアアイロンが床に落下、本体と電源コードの接続部が破損し、コネクター内部が露出する状態になりました。その部位を児が口にくわえているところを姉が目撃し、親に伝えました。救急外来に受診したところ、口腔内には頬の粘膜やうわあご部、舌の外側に潰瘍病変を認め、口腔内電撃症と診断されました。

新しい電化製品がこどもの生活環境に登場すると、必ず新しい事故が発生するとコメントされておりました。ヘアアイロンは1990年代から普及し始めた製品で、これによる傷害事例はこれまではいずれも、使用直後のヘアアイロンを1-2歳の児が誤って触ったことによる手掌の熱傷でした。
また電源コードを介した口腔内電撃症は、電気コンセントにつながった状態の電源コードを3歳に至らない乳幼児が口にくわえて受傷するパターンが最多とのことです。

ご自宅にある電化製品に破損がないか、また適切に使用されているかなど、いまいちど確認しましょう。

日本小児科学会のホームページからも閲覧することができますので、他の事例についてもご参照いただければ、事故予防につなげることができるかと思います。