2014年1月28日火曜日

誤飲・誤嚥について

お子さまの成長とともに、活動範囲も広がり“思わぬところまで手が届く”ということがよくあります。今回は、事故予防の話として、誤飲・誤嚥についてお話します。

まず誤飲・誤嚥事故の傾向です。
・生後6ヶ月から急増し、9ヶ月がピークとなります。
・女児よりも男児の方が多いです。
・発生時間は、18~21時台が多く、夕飯の仕度などで最も目が離れる時間といえます。

次に誤飲の原因となる家庭用品等の種類です。
・たばこが約3割を占めトップです。30年間トップを守り続けて(?)います。
・次に2割弱を占める医薬品・医薬部外品です。
・それからおもちゃ、プラスチック製品、金属製品、食品類と続いていきます。

①たばこの誤飲では、その9割弱が生後6ヶ月から1歳6ヶ月の乳幼児に起こっています。その致死量としては、体重10kgのお子さんでたばこ1本、20kgのお子さんで2本です。
ただし、たばこの葉だけでは、ニコチンの吸収は遅く、催吐作用があるためたくさんは食べられません。結果として中毒例は少ないのが現状です。
しかし、水に浸っているたばこや空き缶などに水を入れ灰皿がわりにしている場合にその水を飲んでしまうとニコチンの吸収も早く中毒になりやすいのです。
対策としては禁煙がもっとも望ましいですが、たばこや灰皿を手の届くところに置かない、空き缶やペットボトルなどを灰皿がわりにしない、ということが大切です。

②医薬品類では、家庭に置いてある機会の多い薬品で、親が飲んでいるのを見て真似して飲むということが多いので、こどもの見ていないところで内服するようにしましょう。

③おもちゃ類では硬貨、ボタン電池、マグネット、クリップ、ボタンなどが多く、食品類ではナッツや大豆などの豆類、飴、もち、こんにゃくゼリー、ミニトマト、ぶどうなどが多くを占めます。

予防対策としては、
・4-5歳までは与えないようにする。
・口にものを入れたまま遊ばせない。遊びながら食べさせない。
・食べているときにびっくりさせたり、たたいたりしない。
・早食い競争をしないように教育する。
といったことが挙げられます。

親御さん自身がハイハイの姿勢をとってみて、危険なものはないかこどもの目線になって確認することが大切です。

また子ども達は日々成長します。昨日まで届かなかったところに手が届く!、登れなかったところに登っている!、この高さに頭をぶつけるようになった!、こんな成長を目にするのはとても嬉しいことではありますが、同時に上のような予防対策の変更(バージョンアップ)をせまられることでもありますね。
成長を楽しみつつ、冷静な目をもって事故予防対策も行っていきましょう。