2012年8月17日金曜日

ワクチンの大切さ


首都圏でも風疹が流行しはじめ、厚生労働省が全国各都道府県に風疹対策について注意喚起を出しています。今年初めから現時点で昨年同時期の2倍の感染が報告されているそうです。
1977~1994年は女子中学生を対象に風疹の定期接種が実施されていたため、現在20~40代の男性の風疹抗体保有状況が低く、今回の流行はこの年齢層の男性を中心に発生しています。しかし女性の感染も約3割にみられており、妊婦さんへの感染が憂慮されます。

風疹は風疹ウイルスの飛沫感染によっておこり軽い風邪症状で始まり、発疹、発熱、後頸部のリンパ節の腫脹などが主症状で、潜伏期間は2~3週間です。
また妊婦が妊娠早期にかかると、出生した児に先天性風疹症候群とよばれる病気が発症することがあり、心臓病、白内障、聴力障害などの障害を持って生まれる可能性があります。そのため妊娠を希望する女性や妊婦の家族に対するワクチン接種が大切になってきます。
実際に考えられることとして、「妊婦さんになる年代の友人と遊んでいた→実は自分が風疹にかかっていた→気づかずに妊婦さんに伝染してしまった・・・」という状況もありうるわけです。

平成23年度の感染症流行予測調査によると、30代から50代前半の男性の5人に1人は風疹の免疫を持っていませんでした。20代の男性は10人に1人は風疹の免疫を持っていませんでした。また、過去に風疹に罹ったことがあると記憶しておられる方も、実は別のウイルス感染だったということもあるため、場合によっては血液検査で免疫がついているか確認するとよいでしょう(抗体価の測定)

現在、2007年からはじまった10~20代の麻しん流行を受けて、生殖年齢に入る中学生・高校生を対象とした、麻しん・風しん混合ワクチン(MRワクチン)の第3期・第4期の接種が行われております。是非、中学生・高校生も接種をお願いします。

妊婦さんは、通常風疹の予防接種を受けることができません。お父さまを含め周囲の方が早めに予防接種されることが望まれます。お父さま、お母さまの予防接種も当クリニックで受けられますので、お気軽にご相談ください。